銭湯の旦那さん スタッフAB

先週末に台東区のお客様からお問い合わせがあり見積りに伺いました。お引っ越し間近ということもあり、お家の中は雑然と物が広がっていてどこから手をつけていいか悩みながらの作業でした。買取できそうな物を集めお見積り、提示金額でお取引成立したのは暗くなる頃でした。荷物の積み込みを終えて帰ろうとしたところ、向かいにある大きな銭湯の入口に「お片づけ」と思われる気配です。コインランドリー部分は既に撤去準備、その傍らには明らかに片付けを始めているであろう処分品の山、お家の方となんとかお話をしようと思いましたが不在の様子でとりあえず帰ってきたのです。週明けの今日解体屋さんに呼ばれた現場は荒川区、朝一からの作業を済ませもう一度台東区の銭湯へ行きました。すると家主と思われる旦那さんが車を止めた私をジーッと見ています。「ダメだ、そこ車とめちゃっっ!」て言わないけどそんな目で私を見ています。恐る恐る事情を説明したところ「ちょうどいいや~見てってよ」とにこやかに対応してくれました。竹で編んだ脱衣籠やケロリンの桶でもあればいいやくらいに思って中を案内されましたが、広いお家の中には「お蔵」があるではないですか!「ゆっくり見てていいよ」と言われ俄然やる気になった私、物量が多くて大変だったらスタッフを呼ばなくちゃならないと考えていました。期待とは裏腹に古いものはほとんどなくチョット前のいただきものや着物、火鉢や掛軸などを買わせていただく事になりましたが、旦那さんは「もうちょと、もうちょっと」とおねだりするので「仕方ないな~」と上乗せのお見積金額で成立。荷物の積み込みが終わった後の世間話で旦那さんに聞いた話は「マンションでも建てるんですか?」「うん9階建てのね」。スカイツリーの足元にある広い敷地のマンション建設、「もうちょっと、もうちょっと」の言葉に負けた私は完全に敗北感、旦那さんの勝ちなのでした。

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